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特集:SDSの読み方 New
その1
特集:PFOAにまつわる法規制など New
その1
その2
その3
その4
その5
新企画:事故はなぜ起こった NEW
その1 次亜塩素酸ナトリウム
その2 ドライアイス
その3 バルブが動かない
その4 混ぜるな危険
その5 ジクオロメタン
その6 容器が破裂
その7 弁から漏れ
連載:続・RoHSをやれと言われたら
その1 適用除外を使う(1)
その2 適用除外を使う(2)
その3 適用除外を使う(3)
その4 適用除外を使う(4)
連載:また来たchemSHERPA
▸その1 アーティクルフラグ
▸付録 アーティクルフラグ番外編
連載:化学の仕事って?
▸その1 何の呪文だ
▸その2 名前がわからん
連載:RoHSをやれと言われたら
▶その1 なんだRoHSって
▶その2 法だからね
▶その3 顧客要求
▶その4 どこまでやれば▶その5 電気製品じゃないよ
連載:chemSHERPAが来た・・・
▶その1 うちの材質はどれだ▶その2 ファイルが開かない
▶その3 なんだこのSVHCは
連載:リスクアセスメント奮闘記
JEMAIのセミナーを受講していただいた方には聞き覚えのあるタイトルだと思いますが(覚えていていただければうれしいのですが)、JEMAIが実施しているセミナーの一部を抜粋してお送りします。はいそうです宣伝です。
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特集:PFOAにまつわる法規制など
PFOAにまつわる法規制など(その1)
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連載:また来たchemSHERPA
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付録 アーティクルフラグ(番外編)
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連載:化学の仕事って?
その1 何の呪文だ
製造業で化学物質管理業務に初めて就くと戸惑います。特に生産現場からの異動だと、今まで邪険にしていた業務を自分がやらないといけない。これは戸惑います。
新しい業務についたときにどこから手を付けるかは業務によってそれぞれ効率的な入り方がありますが、製造業の化学物質管理業務の場合、まずは法律から入るのも一つのやり方です。
業種に関わらず共通する法(1)は化審法、化管法、水濁法、大防法、廃掃法といったところでしょうか。まあいやがらずに。安衛法も重要ですが総務が主管している場合も多いでしょう。毒劇法と消防法も重要ですが、業種によっては関わらない場合もあります。
とりあえずこれらの法律の法的要求事項を調べて、会社のどの業務にどう関わるのかを調べます。ここまでは前任者が既にやっているはずなので、引継いでいれば(いるはずなので)問題ない(はず)です。
さて業務に取り掛かったら最初に戸惑うのが、「ノニルフェノールの排出量は何キロだ?」「このCAS No.違ってるぞ!」といった呪文攻撃です。のにる何?きゃす?なにがなにやら。
化学を専攻していない方には呪文以外の何物でもないでしょう。エクスペクト・パトローナームッ!!!(2)とでも言ってくれたほうがまだ気が楽かもしれません。
・CAS RN
・CAS登録番号
のいずれかであると決めたので、CAS No.という言い方は現在では間違いになっています。
とはいっても、いままで「キャスナンバー」と言っていたものを「違いますよシーエーエス登録番号って言うんですよ」とやるのはやめましょう。「なんや自分ケンカ売っとんのか!」と上司のヤクザ性が火を噴くのがオチです。ブラックではないまともな企業だったら「あ、そうなの」と正しい知識が広まっていくのでしょうね。
次回は呪文対策として、化学物質の名前との付き合い方についてお送りします。
・化審法:化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
・化管法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
・水濁法:水質汚濁防止法
・大防法:大気汚染防止法
・廃掃法:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
・安衛法:労働安全衛生法(「労安法」という人もいます)
・毒劇法:毒物及び劇物取締法
・消防法:消防法(略語ではないですね)
(2)呪文
・エクスペクト・パトローナム:ハリーポッターの呪文「守護霊よ来たれ」
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その2 名前がわからん
すべてのものには名前があり、その名前には意味がある・・・
スピリチュアルな話をしている訳ではありません。化合物命名法のことです。化合物命名法とは、元素や化合物が反応して生成した化合物の名前を付ける文法体系です。
ざっくり化学物質の名前の読み方のことだと思っていただいて結構です。
さていきなりですが、ポリクロロビフェニルという化学物質をご存じですね。知ってるはずです。
な、なんだよそれ知らねーよ!と思った方も多いかと思いますが、「ポリ」はたくさん、「クロロ」は塩素、「ビ」は2つ、「フェニル」はベンゼン環(いわゆる亀の子)から水素原子が1個取れたものを意味します。塩素がたくさん付いたベンゼン環が2つつながっている化学物質のことです。PCBという通り名で知られています。
こんな風に、呪文にしか聞こえない化学物質名ですが、実は意味のある言葉を特定の文法に従って組み合わせて作られています。このルールさえわかればどんな物質名でもその構造がわかり、どんな化学物質なのかわかるようになっています。ドイツ語より簡単です。
もっとも、企業で化学物質管理をするのであれば、化合物命名法をマスターする必要などまったくありません。
「ビフェニル」ん?PCBの仲間か?
「ブロモ」臭素?難燃剤か?
「ホスフェイト」リンの化合物?毒性は大丈夫か?
こんな感じで物質名を見て、どんなリスクがあるか察しが付くだけで十分です。
何の察しを付けるのか。作業者の安全と、法規制の対象かどうか、です。
一方の法規制の対象とは、使ってはいけないもの(化審法や安衛法など)、使ってもいいが排出を制限するもの(水濁法とか大防法とか)、排出に制限はないがどれだけ排出したか把握しなければならないもの(化管法)、工程で使ってもいいが製品に入ってはいけないもの(RoHSだのREACHだの)、など、法の要求事項によってさまざまな管理が求められます。自社の工程で扱う資材にどんな化学物質が含まれていて、どんな法のどんな要求事項が適用されるのか、明確にしなければなりません。
法とその要求事項については、後ほど。
→ページ先頭に
連載:RoHSをやれと言われたら
その1 何だRoHSって
「来月からロースを担当してくれ」と言われたらどうしますか?
「・・・肉屋?」と思うでしょう。筆者もそうでした。「なぜ職場でトンカツの話を ・・・」と。
RoHS。ロースと言ったりローズと言ったり、欧州の人がアールオーエイチエスと言っているのを聞いたこともあります。The restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipmentの前半の頭文字を取ってRoHSと呼ばれます。
交流1000V以下、直流1500V以下で動作する電気電子製品に対する製品含有化学物質規制です。EUから始まって今では中国、インド、ロシア、UAEなど様々な国に拡がっていますが、この稿ではEU-RoHSに限定して話を進めます。
さてそのRoHS、担当するとなったらまず、法文を読んで法的要求事項を確認するところから始めるのが順当です。法的要求事項が分かったら、次は自分の会社にどれだけのRoHS対象製品があるのか調べることになるでしょう。このとき大事なのは、法の対象なのか顧客対応の対象なのか、その区別を明確にすることです。
RoHSの最大の要求事項は第4条にあります。「EU加盟国は上市される電気電子製品(EEE)に禁止物質が含まれないことを確実にしなければならない」というものです。RoHS指令の「指令」たる所以がここにあります。この法は欧州委員会がEU加盟国政府に対して指令するものなのでRoHS「指令」と呼ばれます。
ここから大事なことが2つ読み取れます。一つは、欧州市場に上市されるEEEに対して法的効力を有するのはRoHS指令ではなく、RoHS指令に基づいてEU加盟各国が策定するRoHS各国法であることです。したがって官憲的発想をすれば、欧州にEEEを上市する事業者はRoHS指令だけでなくRoHS各国法も読まなければならないことになります。とは言ってもEU加盟28ヵ国すべての各国法をどこまで読むか、現実的に対処することになるでしょう。ちなみにEU加盟国のうち、法を英語で読めるのは英国、アイルランド、マルタの3か国だけです。筆者はエストニア語もオランダ語もチェコ語もその他もろもろ、さっぱりわかりません。
もう一つは、この法は上市されるEEEに対する法であるということです。欧州市場に上市された最終製品としてのEEEが法の対象であって、そのEEEを構成する個々の部品にRoHSが直接効力を持つことはありません。
法の対象なのか顧客対応の範疇なのか、その違いによって何が変わるのか、次号でご説明します。
→ページ先頭に
その2 法だからね
工業製品を製造・販売するには、どんな種類の製品であれ上市先がどこの国であれ、何らかの法規制を受けます。RoHSが特別視されがちなのは、これまで法規制の対象でなかった含有物質を規制する法律だからではないでしょうか。それにしたところで、食品や衣料では当たり前の規制ですが電機電子業界では驚きでした。
なぜ驚きなのか。性能を上げるため、省資源化のため、価格を抑えるため、製品寿命を延ばすために使っている鉛や可塑剤などを「使うな」と言われたからです。しかもその理由が、廃棄物が不適切に処理されても環境及び作業者に害が及ばないように、という訳の分からない理由だからです。廃棄物は適切に処理するのが鉄則でしょうに。欧州では違うんでしょうかね。
とは言っても法は法。昔そのような名言を残して毒杯をあおったギリシャの哲学者がいました。我々も今、毒杯をあおらされている訳です。
さて前回お話したように、RoHSは上市される最終製品が法の対象です。最終製品製造企業には法が適用されるので、法を守るために設計・調達・製造・品証・発送・販売といった製造業の全ての局面で全工程において管理を徹底します。全工程において管理を徹底、と文字にすれば一言ですが、製造業の実力が如実に現れることです。これがどれだけ大変なことか、やったことのある人でないとわからないでしょう。
一方、最終製品でない部品にRoHS各国法が直接適用されることはないので、部品の供給業者は供給先企業からの顧客要求だけ対応すればよいことになります。実はここに楽(?)な面と困った面の両方があります。
楽な面とは、万一規制物質が自社製品に混入しても、法の罰則を受けることはないので売買契約に従って顧客に対応すれば済むことです。場合によっては損害賠償を求められるかもしれませんが、市場からの製品回収等にまつわる億単位の損金発生やEU加盟国の執行当局との対応、風評被害による損失、さらには社内での責任問題や体制再構築などなど、最終製品製造企業が被り得る被害に比べればまだ軽い方だと思います。
困った面は・・・あまり書きたくないんですが次号で。
→ページ先頭に
その3 顧客要求
最終製品を構成する部品や部材、その原料などを製造する川中・川上メーカーにはRoHS各国法が適用されませんが、顧客要求には対応しなければなりません。先月号で「困った面」と言ったのは、顧客の数だけ様々な要求が来て納期までに対応しなければならないからです。
法が適用される最川下のセットメーカーは法の要求事項を正しく認識しているはずです。さもなければ痛い目に会いますから。最川下に直接納品しているサプライヤーさんも、最川下から正しく要求事項が伝わっているはずです。これが3つ4つとサプライチェーンを遡って経由していくと伝言ゲームになってきます。そのため重要な点が抜け落ちたり余計な情報が加わったりして混乱の元となります。
例えばRoHS規制10物質を使うなという顧客要求がサプライチェーンを遡って伝言ゲームされるとどうなるか。大元の最川下メーカーが規制10物質を何千という個別のCAS No.に展開して調査しているとして、それが遡るにつれてRoHS規制10物質とい説明抜きで何千というCAS No.の調査票だけが送られてくると、調査を受けた企業はただひたすら調査票を処理することに追われます。理由がわかれば効率化できるところを、理由がわからないのでひとつひとつ一から顧客対応しなければなりません。
「健康のためラーメンを規制します。ラーメンとはとんこつ、ミソ、しょうゆなどのことです」という解説があれば分かるものを、「とんこつ、ミソチャーシュー、背油しょうゆ、等を規制する」と言われると、「じゃあ、ちゃんぽんもダメなのか?天ぷら蕎麦なら大丈夫か?」と疑心暗鬼になるようなものです。
これだけでも困るところに、ついでにグリーン調達調査でVOCも調べる、などと言われた日には業務がパンクします。
こういった、顧客からの「ついで調査」や独自様式調査が何百社も来たら、川中メーカーさんはそれだけで企業の体力を奪われることになります。
サプライヤーに調査様式を送る企業さんにも都合があるのはよくわかりますが、相手先企業さんの事情にもご配慮をいただければと思います。「我ガ身サヘ富貴ナラバ」と言ったのは応仁の乱の原因を作った日野富子だそうですが、日本全体の製造業の体力が落ちたら、自社の調達にも支障が出てくるのではないでしょうか。
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その4 どこまでやれば
RoHS担当になると、「どこまでやればいいのさ!」と途方に暮れます。適用除外はしょっちゅう変わり、対象物質も追加され、社内製品は常に入れ替わり、顧客との取引も常に変わり続ける。本稿の範囲からはそれますが、EU-RoHS以外のRoHSも次々増え、さらに妙な要求事項が増える。対象製品も管理レベルも常に見直し続けなければなりません。責任範囲は増える一方で、さりとて人が補充される見込みもない。一体どこまでやれば・・・。
企業の論理はご存知ですね。「混入させるな。この先ずぅ~っとだ」が答えです。仕事がなくなる恐れがないことだけが救いです。偉くなって逃げる、という手もありますが。
では実際のところ、どこまでやればいいのか。対象の深さと広さの2軸で考えることが大切です。深さとは、どこまでのリスクを取るのかという判断です。広さとは、それぞれの対象製品がいくつかあるか、です。ここで「いくつ」の数え方は会社によっても製品によっても異なります。製品シリーズで管理できるのか、型番まで細かく管理するのか、混入リスクと管理の実態を考慮した現実的な判断が求められます。深さについても広さについても、どこまでのリスクを許容するのか決めることがリスク管理の原則です。
やろうと思えば、徹底した混入管理も可能です。ただし、設計・調達・製造・品証・発送・販売の全ての局面について徹底的に管理すれば、営業利益が損なわれます。その一方、営業利益を優先して混入リスクを緩く管理すれば、事故が起こる確率が上がります。自社がどのようにリスクマネジメントするのか。それは経営層の判断に委ねられることになります。
なのでRoHS担当になったらまず、・法的要求事項を理解し・自社にどんなリスクがあるのか把握し・どこまで管理するのか数通りの可能性を想定し・どんな事態が起こり得るか、その時何をしなければならないかを整理して、経営層に報告して判断を求めるのが順当です。
とはいえ2006年にRoHS1が発効して早や13年。もうすでに前任者がやっているでしょうからそれを確認して、現時点の状況に合わせて運用するだけのことです。ただし、過剰な管理をしないためにも、事故を未然に防ぐためにも、こういった見直しは常にやっていなければなりません。
昔はゼロリスクという変な宗教を信じている人がいて過大な負荷を要求していました。最近はそういう迷信はなくなった(はず)なので、理性的に進めることができるはず、だといいですね。
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その5 電気製品じゃないよ
取引先企業(サプライヤー)さんとRoHSやREACHについて話していると、「うちのは電気製品じゃないから関係ないですよ」と言われることがあります。いやありました。RoHS施行後数年ぐらいは。いやこっちは電気製品なんですがと言っても、「お宅の製品は電気製品でしょうけどうちのは違います」と言われて困りました。
RoHSの法的要求事項は指令第4条にあるように、「EU加盟国は上市される電気電子製品(EEE)に、鉛などの禁止物質が含まれないことを確実にしなければならない」です。上市される最終製品が電気電子製品であれば、それを構成する全ての部材・部品について「鉛などの禁止物質が含まれないことを確実にしなければならない」のです。
この説明に対して今までに言われたこと:
「それはおかしい」
「うちが納入するのは○○ですよ。電気製品な訳ないじゃないですか」
など。他にもありますが書けません。
丁寧に説明すれば最後にはわかってくれますが(こっちは客なので)、不満は顔に出たままです。そんなに理不尽なことを言ってしまったのだろうか・・・いや理不尽なのはRoHSだっ!と自分を慰める羽目になります。
これはまだいい方で、製品カテゴリー違いについては先方も知識があるだけに頑固じゃなくてご自分の主張をはっきり持っていらっしゃいます。
「それはおかしい」
「うちが納入するのは○○ですよ。○○はカテゴリー9って書いてあるじゃないですか」
いえ最終製品のカテゴリーで決まるんですがと言っても
「うちが作る最終製品でしょ?カテゴリー9なんですよ」
えーとどう言えばいいのか。RoHSの最終製品とはEU市場に上市される時点での製品であることを、まず理解していただかないことには話が進みません。製品カテゴリーが違うと使える適用除外が違うことがあるので、理解してもらえないと困ったことになります。欧州に単体で上市する最終製品であればカテゴリー9となる制御機器をカテゴリー3の消費者製品に組み込んで上市する場合などにこういうことが起こったりします。そんなやり取りが昔はありました。
最近はそんな話も聞かなくなってきたなぁと思っていたら、しばらく前ですがとある業界の方が「客先からロースとか言われて調べたんだけどどういうことだ?」と問い合わせに見えられました。ご説明しましたが終始不機嫌そうな表情でした。この法律を作ったのは欧州であって私ではない!ということだけでもわかってもらえたのかどうか。
製造業でRoHSに関わっておられる皆様、心中お察しします。
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・シリコンウェハーに酸化被膜を付けているが材質コードに「酸化被膜」がないぞ?
・ルテニウムめっきを加工しているが、材質コードにルテニウムがない!
現場で材料を扱っていると、chemSHERPAの材質コードに当てはまるものがなくて困ることがときどきあります。
とはいってもお客様の要求によりchemSHERPAデータを作らなければならない。
そういうときはいちばん近いものを選んで、コメント欄にその旨を記載するのが安全です。
・カーボンは、無機物だと思えば「その他無機化合物」を選ぶことができます。
もしカーボンを有機物だと思ってしまうと、解がなくなります。実は無機物と有機物の区別は学術的に明確に定義されていないもののようなので、この際、無機物と思って「その他無機物」を選んではどうでしょうか。・ルテニウムめっきの場合、ルテニウムは周期律表で第5周期第Ⅷ族ですが、同じ第5周期第Ⅷ族にパラジウムがいるので、材質用途「6.(表面処理系)めっき」を選んで材質「S010 パラジウムめっき」を選択してコメント欄に「ほんとはルテニウムなんです」と書くしかありません。
まったくもって困ったものですが、お客様がchemSHERPAデータを出せと言い、工夫しないとchemSHERPAデータを作れない以上、お客様の要求を優先するしかないでしょう。
chemSHERPAというツールはツールでしかないので、ツールとして割り切って使っていくのが現実的だと思います。
→ページ先頭に
?取引先様からchemSHERPAのファイルが送られてきたけど開かない!
?.shaiファイルが来るって聞いていたのに、何このXMLって?
?chemSHERPAのデータはどこにアップロードすればいいの?
chemSHERPAはJAMPという組織が運用していますが、ユーザー様から様々な疑問が寄せられていると聞いています。ファイル形式などについて多いのがこれら3つです。
昭和生まれの方は昔のパソコンを覚えておられるでしょうか。ブラウン管テレビにキーボードがくっついたような代物です。平成生まれの方は、パソコンを操る天才幼稚園児だったら覚えているかもしれません。令和生まれの人が知っているはずはない。
昔のパソコンは、ソフトとデータが別々のフロッピーに入っていました。使いたいソフトが入っているフロッピー(フロッピーを知らない?・・・そうですか)とデータが入っているフロッピーをそれぞれドライブに入れてから、ソフトを立ち上げ、ソフトのメニューでもう一枚のフロッピーからデータを読み込むという、一手間も二手間もかかる代物でした。その後Windowsというモノが出てくると、Macを使うのと似た感じでファイルをダブルクリックするだけでファイルを開けるようになりました。Macに比べるとまだまだ電子計算機臭がプンプンでしたが。
「ファイルが開かない」とお困りの理由の多くはこれです。昔のパソコンなのにWindowsのようにファイルを開こうとするから開けないのです。まずchemSHERPAというアプリを立ち上げてから、アプリの機能で読みたいデータを読み込めば開けます。Windowsのように.shaiファイルをダブルクリックしてもデータは開きません。
その他のお困りネタについては、たぶん次号で。
→ページ先頭に
chemSHERPAデータを作成していて、ある物質を入力するとSVHC(注1)のフラグが立つことがあります。「あれ?これってECHA(注2)のリストにないのに」と思うことがありませんか?ECHAのリストにないのにchemSHERPAでフラグが立つ。なぜでしょうか。
concernの頭文字。普通は「高懸念物質」と呼ばれる。
(注2)ECHA:欧州化学品庁(European Chemicals Agency)
chemSHERPAの物質リストはJAMPという組織が年2回作っています。SVHCについてはWebにあるECHAのリストを元に作っていますが、ポイントはECHAのリストでの物質の表記方法です。物質を個別名ではなく化合物群で記載している場合があります。
例えば
・個別名称:豚骨ラーメン、味噌ラーメン、タンメン、チャーシュー麺、など
・群名称:ラーメン
と思えばわかりやすいかと思います。
同様にECHAのCandidateリストには、例えばPerfluorononan-1-oic-acid and its sodium and ammonium saltsという群物質名が載っていますがCAS No.はありません。しかしリストの右側には、この群物質のSupport documentのリンクが貼られています。このリンク文書を開くと、個別の物質を特定するためのCAS No.が3つ載っていることがわかります。この3つのCAS No.がchemSHERPAの物質リストに収載されるので、一見するとECHAのリストにない物質にフラグが立つように見えるのです。実際には、ECHAのリストからリンクされる文書に載っている個別物質を載せているので、ECHAのリストとchemSHERPAの物質リストは一致しています。
例えて言うと、リストには「ラーメン」としか書いていないのに、リンク文書には「とんこつチャーシュー」「みそバターコーン」「タンメン」「炙りチャーシュー」などが並んでいるような状況です。これらを一つの表にまとめると、「ラーメン」に加えて「とんこつチャーシュー」「みそバターコーン」「タンメン」「炙りチャーシュー」などが並ぶことになります。
リストに載っていないように見える「とんこつチャーシュー」にラーメンフラグが立つ理由、おわかりいただけたでしょうか。
とはいえ、いちいちECHAのSupport documentまで見てご自分で確認するのは大変でしょう。chemSHERPAというツールはただのツールなので、フラグが立ったら立ったで、ツールとして割り切って使っていくのが現実的だと思います。
→ページ先頭に
初めまして、某中小電気メーカで化学物質管理を担当している(やらされている?)J太です。大学では工業化学を専攻しながら電気メーカに就職して、使い走りのように、やれ素材の開発やら、安全対策やら、調達材料管理やら、RoHS騒ぎの時なんて化学系というだけで担当に回されて過酷な労働(今ならブラック企業間違いなし)をこなしたのも、今思えば若かったから。今では、化学物質管理と安全衛生委員長のお役が回ってきた中年技術者です。
(登場人物は架空のもので実際の人物、組織と関係はありません)
2014年に安衛法が改正されリスクアセスメントが義務になるお知らせが届きました。嫌な予感がしたのですが、やはり「お前化学系だろ、じゃあリスクアセスメントの担当だから」と上司からの命令。
・・・えええぇ、リスクアセスメントって何? そんなの大学の授業でやったことないし、化学系といわれても材料化学専攻だからリスクのことなんかわかんない。
仕方がないので、厚労省がやってる無料セミナーに行ってみた。胆管癌が発生した作業場があったことからリスクアセスメントが義務化されたとか、リスクアセスメントのやり方がいくつかあることは分かったけど、自分の会社でどのようにすればいいか皆目イメージがわかない。しかし、施行の期限は刻々と迫ってくるし、上司は「もし労基署が来て、何か言われたらお前の責任だからな」なんて脅されるし、相談相手もいない孤独な化学屋はパニックになりそう。誰か救いの手を・・・・・
その2 SDSは知ってるけれど
2015年に厚労省からリスクアセスメントの指針がでました。これにはリスクアセスメントの流れが書いてあるので、これさえあれば大丈夫・・・と信じたい。
まずは、自社で使っている化学物質の危険性と有害性を調べることから始めました。そのためにはSDSがそろっていなければいけません。社内で薬品を購入するときは手続きが必要で、いつ何を買ったかはわかります。そして、化学物質なら販売者からSDSが一緒に届けられるはずなのですが、現場に行ってSDSを確認してみると、その実態に愕然。SDSがついてこない原材料がごろごろ。厚労省の調査によるとSDSがきちんと配付されているのは6割程度だとか。しかも、現場にあるSDSを見てみると、発行日がずいぶん古いものや、輸入品だと言って英語版のSDSしかないものがあったりして、まとめるだけでうんざりする作業です。
とりあえずできるとこらから手を付けようと、使用量の多い原材料からSDSをそろえていくことにして販売者にSDSを要求。すぐに持ってくるところもあれば、英語版しかないというところ、HPに書いてるから読んでというところや、SDSは準備してないなんてところまであります。無いものは自分で調べるしかない、結局人海戦術で集めるしかないことがわかりました。これって、すごい工数かかってるけど、生産性につながるわけじゃないので上司の目が怖い・・・
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000098259.pdf
職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000580337.pdf
→ページ先頭に
その3 どれがリスクアセスメント対象なのさ?
苦労して主なSDSは集めることができました。このSDSのどこを見ればいいの? 今までSDSはザクッと見て、発がん性や毒性が強くて、やばそうなものだけを作業者に伝える程度だったので、あまりじっくり見たことがなかった。
色々調べてみると、2.危険有害性の要約、8.暴露防止および保護措置、11.有害性情報 あたりに書いてあるらしい。しかし、難しい・・・LD50、TWA、STEL、毒性試験の内容は材料化学の人間にはさっぱりわからない。しかし、上司に言ったら「お前化学系だろ!勉強しろ!」と一蹴。やっぱり、自分で勉強するしかないか、電気会社の化学系ってつらいな。
でも、ちょっと待て、その前にどの化学物質がリスクアセスメントの対象かを調べないと無駄な作業になると、リスクアセスメント対象物質のリストを見てみました。
安衛法改正時に対象物質は640物質だと説明されていたので、そのリストにあるものだけリスクアセスメントの対象にすればいいと考えていたのですが、自社のSDSリストと比べてみると何か違和感が・・・・
例えば、酢酸銅を使っているんだけど、640物質のリストには酢酸銅の名前はない。じゃあ、酢酸銅はリスクアセスメントしなくていいと思ったら、そうではないらしい。640物質のリストには「銅およびその化合物」なんてのがあって、酢酸銅はその中に含まれるとのこと。
えええぇ、話が違うじゃん。じゃあ、いったいどれだけの物質があるの?この答えは調べてもなかなかわかりませんでした。やっと見つけた資料によると、リスクアセスメント対象物質の673物質(2020年現在)を化学物質ごとに展開すると4000物質以上になるとのこと。・・・ううぅ目まいがしてきた。
しかし、神の助け、うまい見分け方があるらしい。
SDSの15.適用法令に「労働安全衛生法-名称等を通知すべき危険物及び有害物」と書かれていればリスクアセスメント対象とのことだ。
SDSの束から、この文言が書かれているものを探すと、かなり減った。しかし気をつけなければいけないのは、古いSDSや英語のSDSには書かれていない。怪しいものは、厚労省のHP「職場の安全サイト」で調べることにした。少しは化学系らしくなってきたかな?
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/
→ページ先頭に
その4 全部やらなくていいんだ
ようやく主なSDSをそろえることができたけど、その数250くらい。作業場が15なので単純計算すると3750回のリスクアセスメントをすることになる。レポートまで含めて1回に30分かかるとすれば、合計1875時間。これって、私1人の、1年間の総労働時間より多い。とてもやってられない。いったいどこまでやればいいの?
そんな時に知人からいいことを教えてもらった。リスクアセスメントの実施は、義務になっている作業と努力義務の作業があるとのこと。新しい材料を使ったり、新しい作業を行うときは必ずリスクアセスメントをする必要があるけど、今までと同じことをやっているなら努力義務で、やらなくても罰則はないとのこと。
これはラッキー。開発部門のように新しい材料を使うところはやらなければいけないけれど、製造部門でルーチン業務を行っているところは後回しでいい。かなり気が楽になった。でも、努力義務であっても、何もやっていなければ改善命令が出るらしい。要するに、優先順位をつけて、できるところからやっていけばいいってことか。
これで、ようやく計画が立てられる。250物質のうちトルエンなど作業環境をしている物質は、その結果を使えばいいのでやらなくていい。残りの半分くらいは製造部門で昔から使っているので後回し、製造部門で新しく使い始めるものが年間10物質ほどなので、それらを優先1とする。開発部門は、常に新しいものを使うけど、使用量は少ないので優先2、そのあと後回しになったものをやる。大まかな方針は決まった。
その5 リスクアセスメントをやること自体がリスク?
SDSがそろって、対象物質も絞り込みました。あとは指針通りにリスクアセスメントやればいい、やれやれ先が見えたと安心してしまったのが大きな油断だと分かったのが数か月後でした。
セミナーや指針で紹介されているリスクアセスメントツールであるコントロール・バンディングを使ってみようと考えました。コントロール・バンディングは、職場の安全サイトに行けば無料で使えるリスクアセスメントツールです。日本語だし、入力も少なく簡単そうです。これなら自分でもできる。さっそくリストを片手に入力を始めました。使用量の多いものから順にやってみましたが、いきなり問題が発生。トルエンやアセトンを使って洗浄している作業場のリスクが高いという結果が。何とリスクレベルは4という、4段階で最も高いリスクという結果がでました。えええぇ、そんなバナナ。
さらに、リスク低減措置として、化学物質の使用の中止、代替化、封じ込めの実施と表示されました。使用中止といわれても、仕事が止まっちゃう。代替化と言われても、コストや性能から簡単には変えられない、封じ込めをするには大規模な設計変更が必要で多額のコストがかかる。簡単にできる措置ではありません。
しかも、アセトン、トルエン以外にもリスクが高い化学物質が多数出てきました。ええ?うちの作業場ってそんなに危険な作業してるの?
安全衛生委員会でも議論しましたが、なかなか結論がでません。有機溶剤で作業環境測定を行っているものは、その結果を使えばいいのですが、作業環境測定で第1管理区分になっている有機溶剤が、コントロールバンディングでリスクレベル4になるのは納得できません。
グレーゾーンの化学物質をどうするのか?すべての物質について作業環境測定をしなければならないのか・・・そんな予算取れそうもない。安全を考えて、高性能な局所排気装置を買わなければいけないのか・・・これも上司に怒られそう。または、保護マスクや保護手袋を作業者に義務付けるのか・・・現場からブーイングがでそう。
本当にリスクが高いのであれば、作業者の健康管理のため低減措置はお金がかかっても実施しなければいけませんが、この結果から所長に提言する勇気はありません。
リスクアセスメントを実施すると、ますます問題点が明らかになってきます。もしかしたら、リスクアセスメントをやること自体がリスク?
→ページ先頭に
その6 リスクアセスメントツールはいろいろあるけれど
厚労省職場の安全サイトに多くのリスクアセスメントツールが紹介されています。
どれがお勧めですか?とセミナーで担当官に聞いてみたけれど、厚労省ではどれを勧めているわけではなく、自社の状況にあったものを選んでほしいとのこと。そんなこと言われても、どれがいいのかわからないから聞いてるのに・・・
しょうがないので、自社のリストを片手にツールを一つずつ試してみた。その感想を書いてみます(あくまで個人的感想です)
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/ankgc07.htm
職場の安全サイトで簡単にできる。簡単さは断トツなので、これで済むものなら済ませたい。でも、トルエンやアセトンなどはリスクが高めに出ることが多く、リスクレベル4S、使用の中止、代替化、保護巣の使用なんて厳しい対策が表示される。換気装置を設置して、作業環境測定で第1管理区分の作業場でもリスクが高いと出るのは納得できない。
このように操作が簡単なツールは、暴露の推定精度が高くないので、安全のためどうしてもリスクは高めにでるようだ。
作業別モデル対策シート
チェックリストでどこにリスクがあるかを知って、その対策方法が書かれているシート。中小企業向けで、ほとんど科学の知識のない人用の啓蒙書のようなもの。まあ、やらないよりはましだけど、とてもリスクアセスメントとは言えないと思った。
コントロール・バンディングでは対応できない事業者のために、厚労省が開発したツール。かなりきめ細かな条件を入力できるので、コントロール・バンディングより暴露濃度の精度は高い。結構使えるなという印象。
しかし、欠点は、やたら入力項目が多くて時間がかかること。SDSを見ればわかることを事細かく入力しなければならない。バッチ処理にも対応していないので、うちのように250物質15作業場なんて場合、どれだけ時間がかかるかわからない。名前はSIMLEだけど、操作はSIMPLEじゃないな。厚労省さん、もう少しがんばってよ。
注射器のようなものの先にガラス製の検知管をつけて、業場の空気を吸うことで有機溶剤などの濃度が測定できる。その結果をまとめるためのガイドブック。直接測定するので精度は高い。確かに、いいんだけど、検知管の種類が限られていて、うちで使っている250物質全部に対応しているわけじゃない。複数の溶剤を使っていると交差反応で精度が落ちる、それに時間とコストがかかる。全部を検知管でやることはできないけれど、他の方法でリスクが高いと出たものについて、その確認(ウラをとる)のためのような使い方になるかな。
塗装、印刷、めっきに限ったリスクアセスメントシート。うちは対象外なので調べていない。
欧州REACHに基づく化学物質の登録を支援するために開発された、定量的なリスクアセスメントが可能なツール。無料でダウンロードでき、パソコンがあればだれでも使うことができる。マニュアルも職場の安全サイトにある。しかし、英語版しかないし、上級者用なんて書かれているので使うのに躊躇する。
でも、他の方法では自分の思ったことができないので、気合を入れて使ってみることにした。ダウンロード自体は簡単にできたし、ECETOC TRA自体はEXCELのワークシート(ブック)なので会社のパソコンに入れると普通に立ち上がった。問題は、ここから。どこに何を入力するかをマニュアルとにらめっこで入れていった。説明が難しいところがあったり、日本の規格と違うところがあったりしたけれど、何とか入力が終わってマクロボタンを押すと、あっという間にリスクアセスメント結果が表示された。
ふうぅ、お疲れ様って感じ。でも、結果は作業環境結果とほぼ同じで、正確な暴露濃度の推定とリスクアセスメント結果が表示された。すごいじゃん、これ使いたい。ECETOCさん、日本語版作ってくれない・・・無理か。
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その7 いいリスクアセスメントツールを見つけた
リスクアセスメントツールをいろいろ使ってみたけれど、使い方はやさしいけれど精度の悪いもの、精度はいいけれど使い方が難しいものと、なかなか自分に合ったものが見つからないと悩んでいた時に、同業者の知人から産環協にいいツールがあるらしいということを聞いた。
聞くところによると、ECETOC TRAが日本語で使えるらしい。えぇぇ?、自分が欲しかったものだ、産環協って公害防止管理者の試験だけやってる協会じゃないんだ。
東京で開催されたセミナーに参加してみました。講師は、元化学物質研究機関の人で化学物質の安全性やリスクの専門家らしい。産環協会員からリスクアセスメントの問い合わせが多かったので、会員企業のためにこのツールを開発したとのこと。
ツールの名前は「TRA_Link」。ECETOC TRAを改造したものではなく、独立したアプリでECETOC TRAと連動して動くらしい。
ECETOC TRAで、化学物質名、蒸気圧、分子量、使用量、作業内容、保護具の種類など、あちこちに英語で入力しなければならないけれど、TRA_Linkはそれらの項目を日本語で簡単に入力できる。しかも、プルダウンで条件を選ぶことができるし、単位の返還も自動でやってくれる。あとは、マクロボタンを押すと、パラメータが英語に変換されてECETOC TRAに送られ、ECETOC TRAがリスクアセスメントを行い、その結果がTRA_Linkに帰ってくるという仕組み。つまり、ECETOC TRAが使えなくても、パソコン上にあるだけでいいということ。これってすごくない?
ここまででもすごいけれど、何とバッチ処理ができるらしい。同じ作業場で複数の化学物質を使っている場合、一覧表に化学物質のリストを作っておけば、最高250物質を自動でリスクアセスメントしてくれる。さらに、驚いたことに、厚労省通達の様式でレポートまで作ることができる。
試しに、実際の作業場で使っている化学物質を20物質くらい入力して処理してみると、ほんの数分でリスクアセスメントが完了し、レポートを作ることができた。しかも、すべてリスク特性比が1以下でリスクは低いので、リスク低減措置の検討も不要、つまりリスクアセスメント完了ということになった。すごすぎる。産環協さんありがとう。
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JEMAIメルマガの例(全文)
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化学のおしごと(月刊JEMAI) -2020年1月号-
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新年あけましておめでとうございます。
JEMAI(産業環境管理協会)です。今年もよろしくお願いします。
普段の業務で化学物質管理について疑問があるとき、お力になれるメルマガ。を目指しているメルマガです。
1.今月の締切間近セミナーご案内
2.目につく法規制、気になる審議会等(水銀条約COP3、化審法関係審議会)
3.官報ダイジェスト(ロッテルダム条約、日本産業規格、一般高圧ガス保安規則、ポリ塩化ビフェニル廃棄処理基本計画変更)
4.連載:RoHSをやれといわれたら 「その5 電気製品じゃないよ」
5.産環協からのお知らせ
6.編集後記
本メールは、一般社団法人産業環境管理協会(JEMAI)の化学物質管理に関するセミナー受講や資料のダウンロード等を行っていただきました皆様にお送りしています。
配信先の変更・停止につきましては、お手数をおかけいたしますが「配信不要」または変更先を本メールに返信いただくか、下記アドレス宛てにお送りくださいますようお願い申し上げます。
chemicals@jemai.or.jp
メールアドレスリストの修正は随時行っておりますが、修正が間に合わずに配信不要の御連絡をいただいた方にお送りした場合はご容赦ください。
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【1.今月の「締切間近セミナー」】
残席わずか[実践] 担当者のためのSDS/GHSラベル作成の基礎と実践(東京:1月22日(水))
残席わずか[基礎講座Ⅰ] 製品中の化学物質管理する基本的な考え方(大阪:1月28日(火))
受付中[規制対応Ⅱ] これからの事業所関連化学物質管理(東京:2月4日(火))
受付中[基礎講座Ⅰ] 製品中の化学物質管理する基本的な考え方(東京:2月5日(水))
受付中[実践] 担当者のためのSDS/GHSラベル作成の基礎と実践(大阪:2月6日(木))
受付中[管理体制Ⅰ] 評価する側から見た化学物質管理のポイント(東京:2020年2月6日(木))、(大阪:2月7日(金))
受付中[規制対応Ⅰ-1] 1日丸ごと化学物質管理漬け:EUの規制(REACH/RoHS/CLP)を中心に(東京:2月12日(水))
受付中[規制対応Ⅰ-2] 一日丸ごと化学物質管理漬け:日米中等の規制(REACH/RoHS系)を中心に(東京:2月13日(木))
【2.目につく法規制、気になる審議会(1.水銀条約COP3結果、2.化審法関係審議会)】
1.水銀条約COP3結果(12月2日)
水銀に関する水俣条約第3回締約国会議(COP3)の結果が環境省から報道発表されました。
https://www.env.go.jp/press/107499.html
主な結果として以下7点が掲載されました。
(1)世界税関機構で定める製品コード
(2)付属書A及びBの見直し
(3)水銀の放出
(4)汚染された場所の管理に関する手引書
(5)水銀廃棄物の閾値
(6)条約の有効性評価
(7)運営にかかる事項
COP4は2021年10月から11月にインドネシア・バリにて開催される予定です。
日本の事業者で水銀条約が関係するとしたら、付属書A(水銀添加製品)、B(水銀又は水銀化合物を使用する製造工程)と水銀廃棄物の閾値ぐらいではないでしょうか。
付属書Aについて、歯科用アマルガムを追加する修正提案がアフリカの6ヵ国から提出され、代替製品の有無や健康への影響について条約事務局が報告書を取りまとめることになりました。
条約では水銀廃棄物を水銀/水銀化合物、水銀使用製品廃棄物、水銀汚染物の3種類に分類していますが、このうち水銀/水銀化合物と水銀使用製品廃棄物については閾値を設定しないことが合意されました。これらについて、COP4までの期間中に専門家グループが検討を行うことが決定しました。
日本の事業者への影響は・・・なさそうですね。
先日テレビでニュースを見ていたら、アナウンサーが「国連の会議であるCOPが開催されました」と言っていました。
「・・・どのCOPだ?」と思ったのは私だけではないと思います。
この分野で仕事をしている人には常識ですが、国際条約の締約国会議をCOP(Conference of the Parties)といいます。ロッテルダム条約であれ水俣条約であれストックホルム条約であれ、すべての国際条約にCOPがあるので、「COPが開催されます」は報道としては意味がありません。ニュースの中でCO2排出量の話をしていたので気候変動枠組条約のCOPだとわかりましたが、マスコミの人というのは国際条約は一つしかないと思っているようですね。日本の報道は国際常識がないというのはもはや常識ですが、こういった些細なところで劣化が進んでいくのだと思います。
「令和元年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質案円対策部会化学物質調査会、令和元年度化学物質審議会第5回安全対策部会、第201回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会 開催通知」が各省庁Webサイトに掲載されました。
化審法第一種特定化学物物質に指定することが適当とされたPFOAとその塩及びPFOA関連物質についての所要の措置等について審議が行われます。
https://wwws.meti.go.jp/interface/honsho/committee/index.cgi/committee/30585
【3.官報ダイジェスト】
・令和元年12月4日(本紙 第145号)
外務省告示第234号
平成10年9月10日にロッテルダムで作成された「国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続きに関するロッテルダム条約」の付属書Ⅲの一部は、同条約第22条5の規定に従い、次のように改正され、その改正は、令和元年9月16日に効力を生じた。
付属書Ⅲの表中商業用ペンタブロモジフェニルエーテル(テトラブロモジフェニルエーテル及びペンタブロモジフェニルエーテルを含む)の項の次に次のように加える。
ヘキサブロモシクロドデカン 25637-99-4、3194-55-6、134237-50-6、
134237-51-7、134237-52-8 工業用化学物質
制定された日本産業規格
ディスプレイのぎらつき度合の求め方 C1006
プラスチック-エポキシ樹脂-硬化度の求め方-第2部:フーリエ変換赤外(FTIR)分光光度計による測定方法 K7148-2
情報技術-物品管理用RFID-RFIDエンブレム X6352
経済産業省令第五十四号 高圧ガス保安法第十二条第一項の規定に基づき、一般高圧ガス保安規則の一部を改正する省令を次のように定める。
第十一条2[新設] 前項第五号ただし書の場合において、貯蔵する高圧ガスが液化ガスであるときは、質量十キログラムをもって容積一立方メートルとみなす。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法第六条第一項の規定に基づき、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画を変更したので、同条第七項の規定において準用する同条第六項の規定に基づき公表する。
(JEMAI補足)
塗膜、感圧複写紙、汚泥をはじめとする可燃性のPCB汚染物等について平成30年11月より調査が行われ、感圧複写紙や汚泥等の存在が新たに発覚したことなど、特別措置法に基づく届出(平成30年3月31日時点)に反映されていないものが存在するとされています。
道路橋等の鋼構造物の塗膜からもPCBが検出されていますがこれらのPCB含有塗膜の大部分は低濃度PCB廃棄物となると考えられています。平成30年11月より行われた各省庁、地方公共団体及び民間事業者によるPCB含有塗膜に係る調査により、実態が明らかになると考えられています。
【4.連載:RoHSをやれと言われたら】
「その5 電気製品じゃないよ」
取引先企業(サプライヤー)さんとRoHSやREACHについて話していると、「うちのは電気製品じゃないから関係ないですよ」と言われることがあります。いやありました。RoHS施行後数年ぐらいは。いやこっちは電気製品なんですがと言っても、「お宅の製品は電気製品でしょうけどうちのは違います」と言われて困りました。
RoHSの法的要求事項は指令第4条にあるように、「EU加盟国は上市される電気電子製品(EEE)に、鉛などの禁止物質が含まれないことを確実にしなければならない」です。上市される最終製品が電気電子製品であれば、それを構成する全ての部材・部品について「鉛などの禁止物質が含まれないことを確実にしなければならない」のです。
この説明に対して今までに言われたこと:
「それはおかしい」
「うちが納入するのは○○ですよ。電気製品な訳ないじゃないですか」
など。他にもありますが書けません。
丁寧に説明すれば最後にはわかってくれますが(こっちは客なので)、不満は顔に出たままです。そんなに理不尽なことを言ってしまったのだろうか・・・いや理不尽なのはRoHSだっ!と自分を慰める羽目になります。
これはまだいい方で、製品カテゴリー違いについては先方も知識があるだけに頑固じゃなくてご自分の主張をはっきり持っていらっしゃいます。
「それはおかしい」
「うちが納入するのは○○ですよ。○○はカテゴリー9って書いてあるじゃないですか」
いえ最終製品のカテゴリーで決まるんですがと言っても「うちが作る最終製品でしょ?カテゴリー9なんですよ」えーとどう言えばいいのか。RoHSの最終製品とはEU市場に上市される時点での製品であることを、まず理解していただかないことには話が進みません。製品カテゴリーが違うと使える適用除外が違うことがあるので、理解してもらえないと困ったことになります。欧州に単体で上市する最終製品であればカテゴリー9となる制御機器をカテゴリー3の消費者製品に組み込んで上市する場合などにこういうことが起こったりします。そんなやり取りが昔はありました。
最近はそんな話も聞かなくなってきたなぁと思っていたら、しばらく前ですがとある業界の方が「客先からロースとか言われて調べたんだけどどういうことだ?」と問い合わせに見えられました。ご説明しましたが終始不機嫌そうな表情でした。この法律を作ったのは欧州であって私ではない!ということだけでもわかってもらえたのかどうか。
製造業でRoHSに関わっておられる皆様、心中お察しします。
次回より、新連載「化学の仕事って」が始まります。これまでは製品系に特化した連載でしたが、次回からは製品系・事業所系に関わらず、製造業の現場で扱う化学物質の管理業務全般について、業務に係る法やその解釈・運用などについてお送りします。
連載テーマがころころ変わる?そういえばそうですね。その理由は単純で、筆者が飽きっぽいからです。いえそうではなくて、読者の方々に常に新しい情報をお伝えするために、いろいろなテーマを模索しているのです。
これまでは製品管理の御担当に限定した連載でしたが、次回からは事業所管理の御担当にもお楽しみいただける連載となります。これは、と思う記事があれば、事業所担当の方々に転送していただければ幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
【5.産環協からのお知らせ】
[基礎講座Ⅰ]製品中の化学物質を管理する基本的な考え方
化学物質管理の基本となる「規制対応」「管理体制」「情報伝達」をキーワードに、エンドユーザーが求める体制や各種情報の収集方法について、担当者が悩むポイントを講師が過去の経験と今の業界スタンスに合わせて解説します。
大阪2020年1月28日(火)、東京:2月5日(水)
[規制対応Ⅰ-2]1日丸ごと化学物質管理漬け:日米中等の規制(REACH/RoHS系)を中心に東京:2020年2月13日(木)
化学物質を規制する法規は世界的に増えています。EUのRoHS指令とREACH規則と、最近注目されている中国やアジアの規制を中心に概要を説明するとともに、EU以外の国や地域の動向や内容の違いも含めて解説します。
製造事業所における化学物質管理の基礎、基本となる法規制対応、SDSの見方、管理体制の基本となる考え方等について、過去の経験や事例を含め解説するとともに、事業所の化学物質管理についてこれからの時代に合わせたやり方を解説します。
東京:2020年2月4日(火)
SDSやGHSラベルによる化学品情報の提供は法令で定められています。現場の管理者や担当者が実務で対応していくために知識とスキルを身に着けるセミナーです。
東京:2020年1月22日(水)、大阪:2020年2月6日(木)
東京: 2020年2月6日、大阪:2020年2月7日
新たに担当になったので基礎から知りたい、顧客からの要求を正しく理解して適切に対応したい、社内の業務をムリなくムダなくムラなく進めたい、等、様々なニーズに対応するセミナーを御用意しています。
皆さまの御参加をお待ちしています。
https://www.e-jemai.jp/seminar/chemicals.html
◎安衛法リスクアセスメント WEBコンテンツ
~最小の手間で最大の効果!リスクアセスメントのキモをお教えします~
http://www.jemai.or.jp/chemicals/rouan.html
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【公募】令和2年度「資源循環技術・システム表彰」募集のお知らせ(予告)
産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センターではリデュース・リユース・リサイクル(3R)の推進および資源循環あるいはサーキュラーエコノミーの推進に寄与し、高度な技術又は先進的なシステムの特徴を有する優れた事業や取組を広く公募・表彰しています。資源循環ビジネスの普及・振興に積極的に取り組んできた貴社または貴団体からの応募をお待ちしています。
【募集期間】2020年1月中旬~2020年4月13日
【対 象 者】企業・事業団体
【表 彰】経済産業大臣賞他 各賞
【募集方法】ホームページより申請書をダウンロードいただき、指定の宛先に送付ください
http://www.cjc.or.jp(令和2年度の応募書類は1月中旬公開予定)
【お問合せ】award3r@jemai.or.jpに「令和2年度「資源循環技術・システム表彰」募集の件」として質問事項をご記入ください。
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【公募】令和2年度「リサイクル技術開発本多賞」募集のお知らせ(予告)
産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センターでは、リデュース・リユース・リサイクル(3R)に関する技術の開発に従事し、優れた研究報文又は実効のある技術報文等の発表を行った国内の大学、高専、公的研究機関、民間企業の研究者・技術者(個人又はグループ)を対象に表彰を行っています。
【募集期間】2020年1月中旬~2020年5月25日
【対 象 者】研究者・技術者
【表 彰】賞金50万円/賞状
【募集方法】ホームページより申請書をダウンロードいただき、指定の宛先に送付ください
http://www.cjc.or.jp(令和2年度の応募書類は1月中旬公開予定)
【お問合せ】award3r@jemai.or.jpに「令和2年度「リサイクル技術開発本多賞」募集の件」として質問事項をご記入ください。
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【6.編集後記】
令和2年が明けました。今年は年明け早々1月11日に台湾総統選挙が行われます。香港デモがどう影響するのか注目です。1月31日にはEUが合意したブレグジットの期限がきます。飛んで11月にはアメリカ大統領選挙と、世界史に残る1年になるかもしれません。どうか良い一年になりますように。
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◆個人情報の管理について
個人情報の管理に関しましては、一般社団法人産業環境管理協会個人情報保護方針に則り適切に管理してまいります。
当協会の個人情報保護方針および個人情報保護方針に基づく公表事項につきましては、それぞれ以下の当協会Webページをご覧下さい。
http://www.jemai.or.jp/global/privacy/index.html
http://www.jemai.or.jp/global/privacy/publication.html
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◆配信停止や配信先の変更
配信先変更・停止、ご意見等はchemicals@jemai.or.jpまでお願いします。
配信元:一般社団法人産業環境管理協会 国際化学物質管理支援センター
http://www.jemai.or.jp/chemicals/
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