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環境技術

METI-LISモデルプログラム

プログラムの解説

有害物質の拡散予測が可能なプログラムが経済産業省により開発されました。このソフトは大気汚染の未然防止に役立つよう無償で広く一般に公開する事になり、経済産業省関東経済産業局並びに当協会のホームページによりマニュアル、取扱説明書を含めてダウンロードできるようになりました。なお、ソフトの使用に当っては下記記載の「プログラムの著作権」をご覧下さい。

ソフトの概要

先端産業技術などの発展に伴い、多種多様な有害科学物質が製造、使用されており、我が国においても「科学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」によってその管理がなされている。しかし、技術の国際化に伴い、これらの有害物質の一国だけでなく、全世界に影響を及ぼすことが懸念されるようになり、平成4年(1992)6月に開催された国連環境開発会議(UNCED)で持続可能な発展のための人類の行動計画(アジェンダ21)が採択された。これを契機に有害物質の適正な管理に関して、企業の自主的な取り組みの重要性が認識されるようになった。また、産業廃棄物の越境移動に関するバーゼル条約において、現在我が国では規制されていない有害物質も対象となっているなどの状況からも、有害科学物質の管理手法、環境影響評価手法の強化の必要性が認識されている。このため、経済協力開発機構(OECD)による有害大気汚染物質にかかるワークショップの開催や米国等いくつかの先進国において有害大気汚染物質に係る排出抑制対象の推進等が図られている。

このような状況の基で、我が国では大気汚染防止法が平成8年(1996)5月に改正・公布され、ベンゼン、トリクロエチレン、テトロクロロエチレン、及びダイオキシン類が有害大気汚染物質の指定物質とされ、さらにベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンは環境基準及びその達成期間が設定された。

これにより環境庁と通商産業省は「事業者による有害大気汚染物質の自主管理促進のための指針(自主管理指針)」を作成し、当該指針に基づき業界団体に対して有害大気汚染物質の排出状況を把握し、排出を抑制するために必要な措置を自主的に講じる「自主管理計画」の策定を要請した。

改正法施行後3年を目途にしたこの制度の見直しは、平成12年12月「今後の有害大気汚染物質の対策のあり方(第6次答申)」を環境庁長官に答申したところであり、その中にはこれまでの「自主管理」を今後も継続するとともに新たな対策として、工場、事業場から排出が寄与して一定物質が高濃度となっている地域につき、当該地域を単位とした自主管理「地域自主管理計画」の策定、実施が盛り込まれた。

また、通商産業省は従来からSOx、NOx等の物質に関して環境予測評価を実施してきたところであるが、有害大気汚染物質の排出源はSOx、NOxと異なり、建屋排出等地上付近での排出により、地物の影響を受け、従来の大気拡散モデルでは環境予測評価は不可能と考え、建屋の影響を考慮した大気拡散モデルを開発することとした。

開発にあたっては、米国環境保護庁のISC(Industrial Source Complex)モデルを基本とし、地上濃度分布の再現性を向上させるよう複数の工場内でのトレーサーガス拡散実験、同工場に於けるベンゼン等の分布測定、風洞実験を実施して、ISCモデルの拡散パラメータを見直し、建屋の影響を考慮した大気拡散モデル(経済産業省一低煙源工場拡散モデル:Ministry of Economy , Trade and Industry-Low rise Industrial Source dispersion MODEL ; METI-LISモデル)を開発した。

本マニュアルの適用範囲は次のとおりである。

【計算対象物質】

有害大気汚染物質として、現在、該当する可能性がある234物質が、そのうち健康リスクが高く優先的な排出抑制が必要な物質として次に示す22物質が挙げられている。

ベンゼン、アクリロニトリル、塩化ビニル(モノマー)、クロロメチルメチルエーテル、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、酸化エチレン、クロロホルム、1,3-ブタジエン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、ニッケル化合物、ヒ素及びその化合物、水銀及びその化合物、ベリリウム及びその化合物、マンガン及びその化合物、六価クロム化合物、タルク(アスベスト様繊維を含むもの)、ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾフラン及びポリ塩化ベンソーパラージオキシン)、ベンゾ〔a〕ピレン

このうち、その排出または飛散を早急に抑制しなければならない物質として、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びダイオキシン類が指定物質として指定されている。なお、ダイオキシン類対策特別措置法が平成11年7月に制定、公布され、12年1月から施行され、この施行に伴う関係政令の整備等に関する政令により、ダイオキシン類を指定物質から削除している。また、平成13年4月ジクロロメタンに係る環境基準が設定されている。

本マニュアルでは、基本的には上記234物質のうち短時間暴露で毒性のあるものや大気中で反応、消滅しない物質の拡散予測が可能である。

【発生源対象施設】

同法施行令等では指定物質を大気中に排出し、または飛散させる施設で工場または事業場に設置されるものとして下記11施設を指定している。

本マニュアルにおいては、上記施設を有害大気汚染物質の発生源として想定し、これら施設から排出される物質の排出量推定方法を記述している。これ以外の物質についても排出緒言が明らかなものについては拡散予測が可能である。なお、自動車走行に伴うベンゼンの排出は発生源から除外してある。

【建屋の影響と計算対象範囲】

有害大気汚染物質に関わる発生源の多くは排出される高度が低い、いわゆる低煙源であり、排出源近傍の建物等による気流の乱れの影響を受けて、ダウンウォッシュを生じる。METI-LISモデルは、排出源と建屋の位置関係によりダウンウォッシュを生じる場合はダウンウォッシュを考慮した拡散モデルになっている。ダウンウォッシュを生じない場合は通常の拡散モデルで計算できるようになっている。また、年平均値計算のように風向が異なる場合においても、風向によってどの建物が影響を与えるかをコンピュータが自動判断するようになっている(ユーザーは建屋の高さ、幅、建屋の配置を入力するだけとなっている)。

なお、METI-LISモデルは厳密な流体力学方程式についての数値計算ではなく、定常一様のガウス型プルームモデルの有効煙突高さや拡散幅を補正して建物後流の拡散濃度を計算するものであるので、建屋の高さと幅のどちらか小さい値(L)を指標として3Lより煙源に近い範囲については計算不可能である。

建屋背後の乱流域に巻き込まれた煙でも、風下距離が大きくなるに伴い、その拡散幅σy,σzは建屋がない場合の値に近づく傾向を示すので、ISCモデルと同様に建屋による乱れの影響を受ける範囲を3L≦x≦10Lとし、この範囲をダウンウォッシュを考慮した拡散モデルで計算するようになっている。10Lより風下側はPasqull-Gifford線図の安定度に応じた近似式により計算するようになっているが、10Lにおいてσzの大きさに違いが生じないよう考慮してある。

【計算対象時間】

METI-LISモデルは、1時間ごとの8,760時間(年間時間数)の計算が可能であるので、任意の期間の平均値(年間、期別、月別、日別、1時間等)の計算が可能である。

プログラムの著作権
【著作権】

本ソフトウェアに関するプログラム及びドキュメント等の著作権は、経済産業省が有しております。

使用者は、著作権法及び著作権に係わる国際条約等関連法規を遵守して下さい。

本ソフトウェアに対するリバースエンジニアリング、逆コンパイル、逆アセンブル及びその他の改変は一切禁止します。なお、計算メインプログラム部分はソース公開してあり大型コンピュータ等でコンパイルして使用することが可能ですが、本プログラムソースを改変して使用することは一切禁止します。

本ソフトウェアを使用した成果を学会、雑誌等に発表する場合は、発表文に以下の日本語又は英語の引用文を入れるとともに、発表文の別刷りを送付していただきます。

【責任の制限】

本ソフトウェア及びドキュメント等は、現状有姿のみでの提供となります。

本ソフトウェア及びドキュメント等を使用し計算した予測結果の評価及び整合性等に対しては、本プログラム使用の引用を明記する、しないに関わらず保障するものでは有りません。なお、本プログラム内容に関するお問い合わせに関しては、一切回答致しません。

本ソフトウェアの著作者及び製造・配布に関わるいかなる者も、当ソフトウェアの使用、又は使用不能によって発生する損害に対する責任は、それが直接的であるか間接的であるか、必然的であるか偶発的であるかに関わらず、負わないものとします。

【本ソフトウェアの配布の制限】

営利目的の個人、法人、団体等が、利益を得る目的で本ソフトウェアを配布、または他の製品と合わせて配布することを禁止します。

【発表文の別刷り等の送付先】

発表文の別刷り等及びプログラムバグ情報は以下の送付先まで御連絡下さい。

〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町2-2-1(三井住友銀行神田駅前ビル7F)
一般社団法人産業環境管理協会 METI-LIS担当
E-Mail:metilis(at*)jemai.or.jp    *(at)を@に置換えて下さい

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