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環境規格(ISO・JIS)

JIS K 0102規格群:工業用水・工場排水試験方法 (第1部~第5部) 制定に向けた動き

現在、工業用水試験方法(JIS K 0101)及び工場排水試験方法(JIS K 0102)を統合し、工業用水・工場排水試験方法として、新たに5部編成の規格群として分冊化する作業を進めております。第1部として工業用水・工場排水試験方法-第1部:一般理化学試験方法が2021年5月20日に、第2部:陰イオン類、アンモニウムイオン、有機体窒素、全窒素及び全りん、第3部:金属が2022年10月20日に公示されました。

■JIS K 0102規格群作成の背景

JIS K 0101とJIS K 0102で規定している測定方法は、各種の法令・告示に引用されているため、箇条番号などの変更が困難でした。そのため、JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)に規定された様式への整備がなされないまま現在に至っています。また、両規格とも多くの箇条項目を含むため、見直しや改正作業など規格の維持管理の負担が大きいという課題がありました。さらに、JIS K 0101とJIS K 0102は多くの測定項目が重複していることから、両規格を統合し、見直し作業などの効率化を図ることとなりました。

 
■JIS K 0102規格群作成の概要

現行のJIS K 0101とJIS K 0102では、分析における注意事項や補足操作などが「備考」や「注」として記載されていますが、JIS Z 8301では「備考」の使用や要求事項を「注」として記載することが認められていません。そのため、新たな規格群を作成するにあたり、「備考」や「注」に記載されていた測定操作や要求事項を本体に組み込む作業を行います。また、JIS K 0101とJIS K 0102を統合するとともに、有害試薬を使用する測定方法の見直しや、近年の分析技術などを踏まえた試験内容の一部見直しを行います。新たな規格群は、分野毎に以下の5部編成となる見込みです。

・JIS K 0102-1 第1部:一般理化学試験方法(2021年5月20日公示)
・JIS K 0102-2 第2部:陰イオン類、アンモニウムイオン、有機体窒素、全窒素及び全りん(2022年10月20日公示)
・JIS K 0102-3 第3部:金属(2022年10月20日公示)
・JIS K 0102-4 第4部:有機物(2024年発行予定)
・JIS K 0102-5 第5部:微生物及び生物学的影響(2024年発行予定)


■今後の予定

第4部及び第5部は、令和6年頃の公示を目標に作業が進められています。一連の規格群が全て公示された後、一定の期間を設け、既存のJIS K 0101とJIS K 0102は廃止される予定です。

 



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